5時に目が覚めた。しかし、時差ボケで時間の感覚が変な感じだ。
せっかく目が覚めたので、朝食までの時間、英会話の本を開いた。学生時代は、自慢じゃないが英語は苦手科目だった。ヨーロッパ到着初日の昨日、ドイツ人との会話の中で、「あっ、この単語は何だったかな?」と、聞き覚えのある単語の意味が分からず、はがゆいことばかりだった。今更ながら、もっと勉強しておけば良かったと少し後悔する。
朝食はロビー横のこじんまりとしたスペースでバイキングだ。メニューはパン。パンと言っても日本のモノとは異なり、硬くて素朴な感じである。このパンが数種類あり、ハムやチーズをのせて食べるスタイルだ。ハムやチーズも数種類用意されていた。日本では専門店でないと取り扱っていないようなモノばかりで、ヨーロッパに来たんだという感じがした。
本来ならばしっかり味わって食べたいところだが、今日のスケジュールなどを考えると余裕がなかった。小さなホテルの小さなレストランには、様々な国の人たちが集まっていて異様な雰囲気だった。日本人ぽい東洋系の人もちらほらいるのだが、「日本人かな〜」と思っていたら、フィリピン系のような東南アジア系の言語で話していた。
隣のテーブルには小柄で大人しそうなアジア系の若者がいた。日本人なら自分に気がついて話しかけてきてもいいだろうにと待ち構えていたが、そんな気配もない。(自分のテーブルには日本語で書かれた「英会話の本」を置いていたので)朝食を食べ終わり、「日本人ですか?」と尋ねてみると、「はいそうです」と待っていたかのように即答された! どうも向こうも話しかけられるのを待ち構えていた様子(笑)。彼も昨日、京都からやってきたらしい。一人旅で1週間ほど滞在するとのこと。その他にも何気ない会話を交わし、お互いお元気でと挨拶をして別れた。話しかけて良かった。
今日はSIMカード(携帯のネットが使えるようにするためのもの)と地図を買いに繁華街へ行き、その後、第一目的地のモアバッハへ向けて移動しようと思っていたが、メールやブログを書くことに時間を取られて、お昼近くになってしまった。
ホテル近くの繁華街へ行き、地図を求め本屋へ。しかしドイツ語の表示じゃ何が書いてあるかさっぱり分からない。目的地の場所であるモールバッハと経由地のマインツのサイクルマップがないか、スタッフを見つけて聞く。早口でほとんど聞き取れないが、めげずにやり取り。なんとか身振り手振りも交え理解してもらい、スタッフのお姉さんは目的地の地図を探し始めてくれた。
ドイツというかヨーロッパは、自転車専用道路が確立されていて、自転車用の地図が驚くほどたくさんあった。ヨーロッパは自転車文化が確立されているので、自転車旅行者も多く、専用道路が沢山存在しマップも充実している様子だ。スタッフのお姉さんはちょうど良い地図がないらしく、探すのに苦戦している模様。申し訳ないので、「とりあえず経由地のマインツのものだけでいいよ」と言いたい所だが、なんて言ったらいいかわからない……。ヒヤリングは何となく分かるが、自分の言いたいことが言えないのが悔しい。お姉さんが一生懸命探してくれ、進めてくれたのが2つのマップ。この2つのマップを買うことにした。
2冊で13.85ユーロ(1ユーロ/104円で日本円で1,440円程度)。痛い出費だが仕方がない。昨日のことを考えると、ドイツの道は日本の感覚では走れないのだ。
その後、SIMカードも探したかったが、今日の宿も探さないといけないので(事前情報では16時ぐらいまでには宿を探しておいた方が良いとのこと)、今日の目的地のマインツに出発することにする。(距離45km)
昨日動かなかったサイクルGPSの電源を入れる。「動いてくれよ」と心の中で思いながら、再セット。無事うまく動き出した。地図を見るとマイン川支流沿いを走って、さらに大きな川に合流する地点が経由地のマインツだ。支流といっても川幅は日本の感覚よりかなり広い、日本の大きな川のそれ以上ある大きさだ。川沿いを走ろうと地図を見ながら走るが、地図も英語なのかドイツ語なのかぐちゃぐちゃで、いまいち判りづらい。
道沿いに広がる広大な葡萄畑、そして自転車専用道路。思うように走れず、分岐点でその都度立ち止まり、地図と睨めっこだ。時間だけが過ぎて行き、なかなか前に進めない。サイクルGPSで大まかな向かうべき方角は判別できるが、大まか過ぎて、実際の分岐点ではあてにならない。道路は曲がりくねっているので、進むべき方向とルートが同じとは限らない。
しばらくすると、進むべき方向に大きな工場が立ちはだかっていて、(本当にでかい、福岡空港3つ分ぐらい?)どちらに進んだらいいかわからなくなってしまった。ドイツの道路は日本のように自転車でどこでも走っていいわけではなく、車の道路は自転車では走ってはいけないところが多々ある。また車の道路は皆すごいスピードで走っているので、自転車で走るにはかなり勇気がいるのだ。なので、道路があっても自転車では進めないこともある。
また走っていてなんとなく分かってきたが、街から街の間は、森や林になっている所も多いので、進むべき方向が判りづらい。まさに大自然の大地が広がっている感じがして、ヨーロッパの広大さを感じた。現在走っている場所も雰囲気的には、どこまでも続く農道の中を走っている感じだ。でも不思議なのは、そんな場所なのにどこからともなくサイクリングをする人たちに出くわす。またおじさんが一人で歩いていたりする(どっからきたと?どこ行くと?)。家族で犬と一緒に遊んでいたりする(学校行かんでいいと?)。
しばらくすると緑の景色は途切れ、住宅地へ出る。建物がどれもかわいい。昔の重厚な建物を改築しながら使い続けている様子だ。日本とは景色が違い、街全体がテーマパークを見ているかのようだった。
住宅地で歩いている人を見つけ、地図を見せながら今の場所を聞いてみる。田舎の方へ行くと英語が分からない人もたくさんいる様子で、コミュニケーションがなおさら難しくなる。自転車道は人気の無い森の中や小川沿いを走っていたりするので、たまに心細くなる。また路面は、アスファルトあり、土の道、レンガ、石畳、コンクリート、砂利、農道だったりと、いろいろな道がサイクルロードになっている。日本の感覚だと、アスファルトなどで整備されているように感じるが、様々な道でできているのだ。
途中走っていると、野うさぎが道路に出てきた。また大きな馬のウンコが落ちてたりする(多分馬だと思う)。地図を見ながらでも、こんなに道に迷うのはどうしたものか。縮尺も本当に合っているのだろうかと疑いたくなってくる。時間がないので、昼食も食べずに走っていたが、エネルギー切れになってきたので少し休憩だ。日本から持ってきていたカロリーメイトを半分だけ食べる。
食べながら地図をよく見ると、何やら線の色や種類で道路のタイプが異なるらしい。サイクルルートは曲がりくねっているので、目的地には最短距離で行きたくても行けない。走っているとなんとなく分かってきたが、サイクルロードはすべてが繋がっているわけではなく、途中で切れ目がある。しかし、切れ目の道には必ず、次のサイクルロードまでの標識がある。これをたどれば迷子にはならないようだ。
ルート攻略のコツが少しずつわかり、ロスしていた時間と距離を取り戻すため先を急ぐ。
■何気ない疑問
ドイツ人って、日本人とは違う、みんな共通する匂いがする。嫌いな匂いではないが、なぜだろう。体臭も国民性があるらしい。パンばっかり食べるとああなるのだろうか?
少し余裕ができ、すれ違う自転車の人たちに手を上げて挨拶すると、皆、にこやかに答えてくれる。挨拶は重要だ。ドイツは道路が日本とは逆で右側通行。まだ走っていても慣れなくて、向こうから急に車が来たら怖い気がする。
16時ごろ、マインツに到着。
マインツはフランクフルトよりは小さい街だが、それなりに活気のある街だ。どうやらこの街は観光地のようで、街の中心には広場があり、カフェテラスでみんな楽しそうにしている。さっそく宿を探すため、インフォメーションセンターを探す。(これも前情報で入手していたが、各街で情報センターが設置されていて、ホテルや観光情報が得られるらしい)
道ゆく人に尋ねてみるが、自分の発音ではインフォメーションを理解してもらえない様子。仕方がないので紙に書いて説明した。すると分かってくれた。でも場所は知らないらしい。苦労して理解してもらったのに残念だ。インフォメーションはなかなか見つからない。案内マップ(サイン)を発見。(i)と書かれたインフォメーションのサインだ。行ってみることにする。どんどん坂道を登っていく。こんな所には無いだろうと戻っていくと、また別のところでサインを見つけた。どうやら何か違っていたらしい。
そうこうしてようやくインフォメーションに到着。また片言の英語でやり取りをした。マインツは観光地のようで、60ユーロ以下のホテルは難しいらしい……。仕方がないので、お勧めの60ユーロのホテルを予約してもらうことにした。住所を聞かれたので、事前に作っておいた名刺を差し出し記入してもらう。海外は日本とは住所の書き方が異なるので記入も戸惑うが、名刺を作っておくと楽にやり取りができて便利だ。ホテルはその場所から15分ぐらいの場所にあるらしい。お礼を言ってインフォメーションを後にする。
インフォメーションのそばにSIMカードを売っているT-mobileのショップを発見し、入ってみることにした。しかしSIMカードを購入するには、かなりハイレベルな会話ができないと購入が難しい。案の定、店員のお姉さんは分からないらしく、終いにはあきれ顔だ。よく分からなかったが、前情報で仕入れた内容を信じて購入することにする。設定がうまくいけばいいのだが……。プリペイドSIMを10ユーロで購入した。1日使用で0.99ユーロ、10日分、SIMカード代は実質0円である。
その他に、ズボンが下がって仕方がなかったので、H&Mを見つけ、ズボンのベルトを購入した。(9ユーロ)。ドイツはまだ肌寒い。予備で持ってきていた長ズボンを履いているのだが、ベルトを持ってきておらず、ズボンが下がって仕方なかったのだ。しかし先週は異常気象で30度を越える日があったらしい。
ホテルへ移動。丘の上にあるホテルだ……。受付のおばちゃんがとても愛想がいい。自転車を置く場所がなく、この日も部屋へ持ち込みだ。今日のホテルはエレベーター無し。「階段で自転車を担いでいく」と言うと、おばちゃんは驚いた様子で、部屋を階下の大きな部屋にしてくれた。それでも3階まで上る。**「209」**だったので2階と思っていたが、昨日もそうだが、こっちは1階がEで2階が100という感じになっているので、209は3階であった。おばちゃんはこんな小さい自転車、初めて見たと言っていた。
Wi-fiもフリーで使うことができたので、キーコードをもらう。夕食はホテルのレストランだと高いので、隣のスーパーマーケットに買いに行くことにする。スーパーには、いろいろと日本と異なり、興味深い。殻がカラフルに塗られた卵を発見。食べられるのだろうか? ご飯はもちろん売ってないので、パンを購入するが、味気ないので調理せずにトッピングできるものはないかと探す。野菜やツナ、ハムなどをミックスしたソースが豊富に揃っていたので、それを購入することにした。念のため生で食べられるか店員に聞いてみる。英語が分からないらしい……(たぶん)。
お客さんの若いカップルが見かねて、英語で「どうしたの?」と聞いてきたので説明すると、どうやら自分が選んだものは生では食べられないらしい……。苦い顔を二人ともしていた。生で食べられるものとなるとかなり限定される様子だ。若いカップルも自分のことが気になっているようで、その後も遠くからこちらを見ている。「この食べ物は食べれるか」と聞きに行くと、「私たちがあなたに何か食べれるものを探しましょうか?」と言ってくれたが、それは申し訳ないので遠慮して、自分でなんとか食べれそうなものを選ぶ。
今日はホテル代も少し高かったので、こんなもので節約、節約だ。
ホテルに帰ってまずは洗濯。お風呂の後はゆっくりしたいので、洗面所で裸になり、スッポンポンで今日の分も洗濯。何気に前を見ると、裸で洗濯している自分の姿が鏡に映っていて、おかしかった(笑)。シャワーを浴びて、食事にする。洗濯物が明日乾くか心配だ。まず乾かないだろうが……。だんだん眠くなってきた。気がつくと12時過ぎている……。日が沈むのが遅いので、日本の感覚でいると、すぐ深夜になっている。
今日も色々なことがあった。何気ない日常を過ごすだけでも、国の違い、文化の違いでとても新鮮だ。色々と戸惑うことも多いが刺激的である。そんなことを考えながら眠りについた。
総走行距離:45km
















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